課長↓部長という昇進コースではなく、専門性を発揮しようという人が増えてくると思われるので、評価システムを複線化して人材発掘に注目することが肝要でしょう。
第六は、人事情報システムの整備です。
経営戦略の達成に向けて、適材適所の配置をすることは大切なことです。
そのために、配置に必要な情報を計画的に収集し、使いやすいように加工しておくことが大切です。
人事スタッフ個人の記憶に頼るだけでなく、必要項目についてはコンピューターの活用が有効です。
Q28賃金と賞与の内容は?賃金は、どのような項目で構成されていますか?また、賞与は賃金とどのように違った特徴を持っていますか? 賃金とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」というのが、労働基準法第十一条の定義です。
賃金は、労働者の側から見れば、いうまでもなく生活を営むための原資です。
健康で文化的な生活を営むためには安定した一定の賃金水準を確保することが不可欠であり、会社は、優秀な労働者を採用し、意欲をもって働いてもらうためにも、一定の水準の賃金を確保する必要があります。
また、一定の賃金水準が保障されている場合でも、同じ会社に勤めている労働者間の能力の発揮度合いに応じて、適正な個人別分配がなされないと、労働者の勤労意欲を減退させてしまうことになります。
一方、会社の側から見ますと、賃金はコストであり、会社の支払い能力や、生産性向上等による賃金アップの吸収などを無視した高賃金を支払っていくと、経営を行きづまらせることになります。
このためには賃金を中心とする総人件費管理という視点が重要になってきます。
賃金を構成する項目をまとめてみると、表のようになります。
基本給は賃金の基本的な部分で、基本給を補完する諸手当、賞与や退職金の算定基礎として使われています。
基本給は、各人の年齢、学歴、勤続年数、経験年数等の個人的属性によって決定されたり(属人給という)、労働者の従事する仕事の内容や、仕事の遂行能力に応じて決定される(仕事給という)ことが多く、またこれらを総合的に勘案して決定すること(総合決定給という)もあります。
どれをペースにした給与体系を選ぶかは、人事スタッフの大切な仕事です。
ところでわが国の賃金制度の重要な特徴の一つに「年功序列型賃金」が挙げられます。
これは終身雇用を前提として、年齢・勤続年数の増加に伴って昇給を積み重ねて給与を増加させる属人的要素を中心とする賃金制度です。
この制度は、年齢・勤続につれて経験や能力が増して、その結果職務の重要度や、貢献度も大きくなる、ということが前提となっており、また年齢と共に家族数が増し、住宅や教育等の生計費が上昇することにも対応させようとする考え方です。
年功序列型賃金は、労働者にとって安心感が持てること、職場配転等がやりやすいこと、会社に対する帰属意識が高められることといった特徴があり、今日なお多くの企業の賃金制度の基盤となっています。
しかし、経済成長と労働力需給関係の逼迫による賃金水準の急上昇、とりわけ若年労働者の初任給相場の高騰や、技術革新の進展による熟練のあり方の変化、労働価値観の変化等に伴い、年功重視の賃金制度の修正が求められ、「仕事給」の比率が高まってきました。
仕事給の代表的なものが「職務給」と「職能給」です。
職務給は労働者が従事している仕事の内容に応じて支払われる賃金です。
企業内における仕事群を、あるまとまった職務に分類し、その職務に必要とされる熟練度・責任の重さあるいは作業環境等を評価要素として職務評価を行い、職務相互間の相対的価値を決定して一定の賃金を定めます。
職能給は、職務そのものに対してではなく、労働者の職務遂行能力に対して支払われる賃金です。
個々の従業員職務遂行能力を一定の評価基準によっていくつかの職能等級に分類し、各人の能力評価を行って従業員をそれぞれの職務等級に分類し、これと賃率とを結びつけるものです。
職能給制度は、職務給のように仕事と賃金が直接結びついていないために、企業内での流動的な配置に対応しやすく、また年功的要素も加味できることからわが国の経営風土に馴じみやすく、一方で仕事との関連を持たせながらも従業員の勤労意欲を刺激しやすい能力重視型の制度であるため、職務給に比べ多くの企業で取り入れられています。
諸手当には、仕事と関連のあるものと生活補助的なものがあります。
仕事と関連のある手当は、仕事給の制度の中では、十分に評価・対応できない特別な資格や特殊な勤務あるいは作業環境に対して支給されるものです。
役職手当は、部長等の管理職位にある者に対する手当です。
しかし、管理職の賃金については、管理職層と一般職層の賃金体系を別建てにする考え方もあり、大手の企業の約半数が別建てにしています。
管理職の年俸制度が最近注目されていますが、まだごく一部の企業で導入されている段階 135です。
労働基準法では、時間外労働、休日労働、深夜業をさせた場合は、通常の賃金の二五%以上の割増賃金を支払わなければならないことになっています(基準法第三十七条)。
労働基準法は最低の基準を定めたものですから、この基準を上回った割増手当を支払う企業も少なくありません。
交替勤務手当は、設備の稼働率を上げるために昼間と夜間などの勤務を交互に行うことに対して支払われるものです。
特殊勤務手当は、警備員、自動車運転手、寮の管理人など勤務形態が一般の通常勤務者と大きく異なる者に支払われます。
特殊作業手当は、作業環境に対して払われるもので、高所作業、高温炉作業、放射線管理区域作業等が代表的なものです。
特別資格手当は、業務に必要な資格に対して支払われるもので、電気主任技術者や公害防止管理者がその例です。
生活補助的な手当は、労働者の家族構成や生活状況を考慮して、基本給では満足しえないところを補完するものです。
家族手当や通勤手当が一般的ですが、住宅(補助)手当や地域手当を支給する企業もあります。
最近トピックスとなっているのが、新幹線通勤(補助)手当です。
わが国では、ほとんどの企業が、賞与(期末一時金)を支給しています。
支給の時期は夏季賞与が六―七月、冬季賞与が十二月が一般的です。
賞与は、利潤分配や業績配分あるいは労働能率の報奨的刺激策といった側面がありますが、近年では年間定期賃金の一部としての性格が強くなってきています。
労働者の側から見ると、夏・冬の’定期的な生活補填の期待を持っており、住宅ローンの返済、レジャー等のまとまった出資の原資として生活設計に組み込まれています。
一方企業の側からは、月例賃金の硬直性を緩和する役割を賞与に期待しやすいという利点があります。
月例賃金が、その決定にあたって世間相場に強く拘束を受けやすく、また一度決定した賃金水準を減額することは非常に困難であるのに対して、賞与の場合は支給の都度、支給額を決定するため、業績等に応じて水準を決定しやすいことが挙げられます。
しかし、賞与の決定についても、世間動向、特に同業の水準に強く影響を受けるので、個別企業の業績成果配分の要素が大きいとはいえなくなっています。
賞与の支給水準は、業種や企業規模によって異なりますが、概ね月例の所定内賃金の三1五ヵ月分の賞与が年間に支給されています。
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